海外トーナメントから見るルール解説
    
   2022年マスターズ第3ラウンドにおけるスコッティ・シェフラーに起こったルール問題

 3日目の18番ホール、ティーショットを曲げあわやロストかと思われたが奥深くの欝蒼とした木々のくぼみにボールはありました。
シェフラーが取った行動はコース上でどんなトリッキーな状況に陥っても、ルールを知り、最良の選択肢を取りスコアーカードに
より少ない結果を取る事が出来る事を思い出させてくれます。
シェフラーは競技委員を呼びました。
彼が最初にしなければならなかった事は・ボールを特定し、確認することでした。

規則7「 球を捜索:球を見つけること、確認すること」 の規則7.3「確認のために球を拾い上げる」

球を識別できない場合、プレーヤーはボールを持ち上げて識別する権利があります。この状況で注意すべき重要な点は、
ボールのスポットが持ち上げられる前にマークされなければならず、ボール自体(パッティンググリーン上の場合は除く)を識別するために
必要以上にきれいにしてはならないことです。

シェフラーはボールが彼のものであることを確認し、元の場所に戻した後、次に取れる彼の選択肢を検討しました。
彼はキャディと相談し、ボールをそのままプレーすることは非常に危険な選択であることが分かったので規則19「アンプレヤブルの球」
の処置を取る選択を取りました。

アンプレヤブルの処置を取る場合の3つの選択肢があります。
   ・ストロークと距離の救済ー直前のストロークが行われた場所から元の球か別の球をプレーすることができる。
   ・後方線上の救済ーホールと元の球の箇所を結ぶ後方線上を通る基準線に基ずく救済エリアに元の球か別の球をドロップすることが出来る。
   ・ラテラル救済ー元の球か別の球を元のボールが置かれている場所から2クラブの長さ以内に横方向にドロップすることができる。 

シェフラーは規則19.2Cを使用して横方向の救済を取る事を選択しました。
この時彼は規則の下で利用可能なすべてのオプションを使用して可能な限り最良の結果を得ることを考えドロップする前に非常に徹底的であった
ことがわかります。
ドロップする前に怪我をするリスクを冒したくなかったため、彼はドロップするエリアの周りの木の根をチェックすることを要望しました。
プレーヤーがストロークに影響を与える条件を改善しない限り、コース上どこでも許可されるものです。(規則8.1a/7)
実際ストロークを行うときに、クラブが木の根、岩、または地面の表面下の他の障害物に潜在的に当たる可能性があるかどうか確認するために、
ティーまたは他の同様の物でボールの周りを確認することができます。
また、シェフラーは競技委員にドロップする予定の周辺エリアからルースインペディを取り除くことができるか尋ねました。

規則15「ルースインペディと動かせる障害物」規則15.1ルースインペディ」で許可されており、ボールをドロップまたリプレースする前にボールは
特定の場所に戻されていないため、ルースインペディを取り除くことができます。
競技委員はそのことをシェフラーに告げる時にある注意点を加えました。

ドロップエリアにはルースインペディとはみなされない規則違反になるおそれのある土壌があったため、葉と松葉のみを取り除くことを伝えました。

規則8「コースはあるがままにプレーする」規則8.1b「認められる行動」でプレーヤーがそれらを取り除くための合理的な行動をとる事を許可しますが、

決定的に重要なことはその過程で他の土壌を不注意に掃い上げることがあるからです。バラバラの土を取り除くことは2打罰になります。
ストロークに影響を与える条件を改善することを禁止している規則8.1に違反することになります。

シェフラーはようやく球をドロップしましたが、ボールは救済エリアの外に転がったので、規則14.3c(2)により2回目にドロップした地点にボールを
プレースすることが求められましたが、ボールが静止しないので、静止する最も近い場所をみつけてプレースする必要がありました。
シェフラーは無事に1打罰(アンプレヤブルの処置)でしたが、3打リードして最終ラウンドに進みグリーンジャケットを手にしました。

2022年3月のザプレイヤーズチャンピオンシップでのキーガンブラッドリーの規則問題

第2ラウンドの16番ホールで、キーガン・ブラッドリーは2打目をグリーンに送り、イーグルのチャンスを残した。ブラッドリーがグリーンに着くと、彼は
すぐにボールの後ろにボールマーカーを置いたが、ボールを持ち上げる前に突風がボールを動かした。
ブラッドリーはまだ持ち上げられていないため、新しい場所からボールをプレーすることを求められていましたが、例外が適用されると考え、元の場所に
ボールを戻しプレーしました。

規則9「球はあるがままにプレー:止まっている球が拾い上げられる、動かされる」規則9.3「自然の力が動かした球」
自然の力(例えば風や水)が止まっているプレーヤーの球を動かす原因になった場合、罰はなく、新しい箇所からプレイ―しなければならない。
例外ーパッティンググリーンの球が、その球をすでに拾い上げて元の箇所にリプレースした後に動いた場合、その球をリプレースしなければならない。

ブラッドリーは誤所からのプレーで2打のペナルティを受けました。

R&A公式ニュースメールより要約


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